2007年1月23日火曜日

神道は宗教か?


 神道は宗教ではないという人がいます。果たしてそうでしょうか。だとしたら、神社は何のためにあるのでしょう。神職は只の神社の管理人でしょうか。結論 から言えば、神道は宗教です。実際に神を祀り、様々な祈願をするわけですから、現代の概念で言えば明らかに宗教です。現代人の宗教に対する一般通念は以下 のようなものでしょう。教祖、教義、教団、戒律があり、信者はひたすらそれに従うものでであると、そういう意味でいえば。神道は宗教ではありません。神道 には、それらの要素はほとんどありません。教祖もいなければ、明確な教義、経典、戒律もありません。それらを有するものは、教祖宗教といいます。ユダヤ 教、キリスト教、イスラム教、仏教等がそうです。一方、神道、道教、ヒンズー教等は、自然宗教と言って、各民族間に自然発生したものです。だから教祖はい ません。教祖がいないので、信者もいません。神道には、氏神・氏子という血縁関係(タテ)と、産士神・産子という地縁関係(ヨコ)とがあります。どちら も、神と人との直接関係であり、人は本来介在しません。神職は村人の代表として神社を管理しているわけで、決して教祖のような存在ではありません。神との 直接交流が神道本来の姿です。そのために祭りがあります。祭りを通して、神と人とが直接つながる、それが宗教の始原の姿であり、神道はその形態を残してい る世界的にも貴重な宗教といえましょう。
村田 祐介(古神道研究家)

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